一旦落ち着いて考えよう、といういつもの言葉

 ADHDの方はとても思考の早い方が多いような気がします。頭の中の強制連想ゲームが常態化していますからアイデアが浮かび、それが一瞬で走馬燈のように展開していきます。するとそれを数日以上もアウトプットせずに頭に留めて咀嚼することは無理です。その瞬間から口をつくようにどんどん出ていきます。
 企画会議や広告戦略の会議に参加していても、宙を見ていたと思ったら突然ビジョンを話し始めたり、人の話を遮って説明しだすこともありました。社会生活する上で人との調和は切っても切れない重要な要素ですから、そこにヒビを入れるようなわたしの言動は参列者の方々はさぞ疎ましかったと思います。

 原稿やアプローチの方法も決まっているからビジュアルだけ頼むよ、という場合ならそれに沿って具体化するだけなのでさほど難はありませんが、目的だけが決まっていて、戦略からビジュアルまでトータルにとなると不確定要素がとても多いわけですからすべての段階を包括的に考えなければなりません。頭の中で処理する情報量がとても多いですが次第にぼんやりと姿が見え始めてくるとグッドアイデア!と興奮し半生の状態でもそれに興奮して自分の中にしまっておくことができません。衝動性を抑えることは困難で次々と形になっていないプランの展開をもっともらしく話し始めてしまいます。
 このような場当たり的に映る言動を続けていると当然軽んじられてきます。アイディアはどんどん出て、淡くてもイメージができていて判断の裏付けの情報もわかっているのは自分だけですから、周囲には文字通り空論に思えたはずです。

 もともと説明はうまくありませんが、プレゼンを重ねていたせいで一方的に話す癖があり、それが長いうえよく脱線し聞き手を混乱させることがよくあります。衝動的に淡いディテールのアイディアを中途半端な説明で伝えるのでさらに理解はしてもらえません。いつもこれでは意見に重みがなくなっていくのは仕方ありません。
 思考の飛躍やADHD特有の行動力で、ひとつひとつの裏付けはしていることでも、もう自分の中では完結しているので結論だけしかいいませんから、浅知恵と思われてもしかたがありません。
 浮かんだ内容を頭で咀嚼するまで口に出さずにじっと我慢することを日々練習していますが、やはりなかなかうまくはできません。道半ばです。